後遺症④ CRPS(RSD・カウザルギー)

CRPSとは,正式には,Complex Regional Pain Syndromeと言い,頭文字を取ってCRPSと言われます。和名は,複合性局所疼痛症候群と言います。

多くの場合,きっかけとなる外傷があります。交通事故もその一つです。ただ,骨折や臓器損傷,頭部外傷のような重大な事故ではなく,軽微な事故でも起こり得る症例で,しかも,外傷と不釣り合いな非常に激しい痛みが長引くため,被害者自身も交通事故が原因であると気付きにくいと言えます。

じっとしていても痛い,少し触れただけでも痛みが走る(アロディニアと言います),ぶつかったりすると強烈な痛みが走るなど,とにかく激しい痛みを覚えるのが特徴です。

しかも,その痛みは,数か月ではなく,数年もの長い期間にわたり続くことがあります。

また,その他の特徴として,不釣り合いな痛みとともに,皮膚が赤くなる,皮膚が熱を感じる,皮下組織が膨張するなどの症状がでることがあります。

事故後,外傷の程度からは想像できないような,尋常ではない痛がり方をする状態が続いている場合には,CRPSを疑う必要があります。

CRPSであることに気付かずに,治療開始までの期間が長くなると,後遺症が残りやすくなるだけでなく,交通事故の損害賠償について,本来受領できるはずの賠償を受領できないこともあります。特に,後遺障害慰謝料・逸失利益の点で,大きな差が生じます。

まず,CRPSであることに気付かずに,後遺障害等級の認定を受けると,単なる疼痛障害であるとして,後遺障害等級別表第二第12級13号又は同第14級9号の認定しか受けることができません。

他方,CRPS(RSD・カウザルギー)であると認定されると,後遺障害等級別表第二第7級4号又は同第9級10号の認定を受ける可能性が出てきます。

後遺障害等級14級と7級とでは,後遺障害慰謝料だけ見ても,約900万円もの差がありますので,事故後の緩和ケアに要する医療費の点からも,CRPSであるならば,その認定を受けることは非常に重要であると言えます。

なお,CRPSは,医学上,RSDとカウザルギーとに分類され,いずれと診断されるかによって,後遺障害認定の基準も異なります。

まず,カウザルギーと診断された場合には,疼痛の部位,症状,疼痛発作の頻度,疼痛の強度と持続時間及び日内変動並びに疼痛の原因となる他覚所見などに基づき,疼痛の労働能力に及ぼす影響を判断し,等級の認定を受けることになります。

他方,RSD(反射性交換神経性ジストロフィー)については,健康な側と比較して,①関節拘縮,②骨の萎縮,③皮膚の変化(皮膚温の変化,皮膚の萎縮)という慢性期の3つの症状全てが,明らかに認められる場合に限り,カウザルギーと同様の基準により,等級認定を受けることができます。

ただ,医学的な診断基準は,上記で述べた後遺障害認定基準と必ずしも一致しないため,医師の診断ではRSDと認定されても,後遺障害認定基準を満たさないということもあるので,後遺障害診断書を作成する場合には記載方法に注意が必要です。

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