慰謝料の相場と3つの基準(具体的考察)

これまでのコラムの中で,交通事故の損害賠償には3つの基準,すなわち,自賠責基準,任意保険基準,裁判基準(弁護士基準)があることを説明してきました。

この3つの基準のうち,自賠責基準が最も低く,その次に低いのが任意保険基準,最も高いのが裁判基準(弁護士基準)です。

弁護士に依頼しない場合には,知らずのうちに,自賠責基準あるいは任意保険基準で示談してしまい,適切な賠償を受けられないことがあります。弁護士費用が気になると思いますが,あなたが弁護士費用特約に入っていれば,あなたの保険で大半の弁護士費用を賄うことができます。

さて,ここでは,上記3つの基準のうち,自賠責基準と裁判基準(弁護士基準)とで,具体的にどの程度の差があるのか,入通院慰謝料(傷害慰謝料),後遺障害慰謝料について,具体的に考察してみたいと思います。

まず,交通事故に遭遇し,通院を余儀なくされた場合には,入通院慰謝料(傷害慰謝料)を請求することができます。

例えば,4月1日に交通事故に遭遇したとします。また,事故当日から,4月30日まで通院し,実際に通院した日数は10日とします。

まず,自賠責基準に基づいて,入通院慰謝料を計算してみたいと思います。計算方法ですが,最初に,【入通院期間】と【実際に入通院した日数×2】をそれぞれ計算します。そして,算出された2つの数字のうち少ない方に,【1日当たり4200円】を掛けると,自賠責基準に基づく入通院慰謝料が導き出されます。

事例では,【入通院期間】は30日,【実際に入通院した日数×2】は20日となりますので,賠償額は,20日×4200円/1日=8万4000円となります。

他方,裁判基準(弁護士基準)によると,症状が重いか軽いかによって異なりますが,少なくとも,18万円程度であり,自賠責基準のおよそ2倍の賠償額となります。

そして,症状が重い場合や,通院期間又は実際に通院した日数が多い場合には,自賠責基準による賠償額と裁判基準(弁護士基準)による賠償額との差は,より大きくなります。

また,裁判基準(弁護士基準)と異なり,自賠責基準では,「傷害による損害」の賠償について上限が定められており,その金額もわずか120万円です。120万円というと多いと感じられるかもしれませんが,「傷害による損害」には,上記入通院慰謝料だけでなく,病院の治療費や休業損害なども含まれますので,想像しているよりも容易に上限に達します。

次に,交通事故に遭遇し,後遺障害認定を受けた場合には,後遺障害慰謝料を請求することができます。

例えば,頚椎損傷により手に痺れが残り,局部に頑固な神経症状を残すとして,後遺障害等級別表第二12級13号の認定を受けたとします。

この場合,自賠責基準(弁護士基準)によると,後遺障害慰謝料は,93万円となります。

他方,裁判基準(弁護士基準)によると,後遺障害慰謝料は,280万円とであり,自賠責基準のおよそ3倍の賠償額となります。

このように,自賠責基準と裁判基準(弁護士基準)とでは,その賠償額に2倍から3倍の差があるのです。そして,事故による怪我が大きければ,その分,賠償額の差も大きくなる傾向にあります。

弁護士費用特約に加入されている場合には,是非,弁護士に交渉を依頼し,裁判基準(弁護士基準)に基づく適切な賠償を受領してください。

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