過失割合に納得できない方へ

交通事故の原因は様々です。

事故態様だけみても、追突事故から、交差点での出会い頭の事故、左折時における巻き込み事故や横断歩道上の歩行者や自転車との接触事故など、様々です。

加えて、事故原因も、よそ見運転や携帯電話を使用しながらの運転など、前方不注視が原因と思われる事故から、速度超過の事案、運転操作ミスによる事故など、多種多様です。

このように、交通事故の原因は様々ですが、停車中の追突事故などの例外は除き、多くの場合、交通事故の当事者双方に何らかの過失がある事が多いといえます。

ただ、具体的に、どちらの運転者にどの程度の過失があるのか(これを「過失割合」といいます。)について、一般の方が正しく判断することは困難であり、時として、相手方保険会社の担当者の言いなりになってしまうことがあります。

保険会社の担当者は、何百件と交通事故を見てきていますので、当該事故に関して、自社の契約者にとって有利な事情は何で、不利な事情は何か、瞬時に判断できます。そして、交渉ごとの常として、不利な事情を担当者が自ら指摘することはありません。つまり、保険会社の提案には一定の根拠があるのですが、当該事故における全ての事情を考慮した公正公平な提案ではないのです。そのため、保険会社の担当者の言うままに過失割合を決めてしまうと、皆さんにとって不利な内容になってしまうことがほとんどです。

だからこそ、相手方保険会社から過失割合について提案があった場合に、何かおかしい、納得できないと感じた場合には、ぜひ一度、弁護士に相談してください。

弁護士が保険会社と過失割合について交渉を行う場合には、まず、事故態様や事故原因について調査を行います。その上で、これまでに発生した何万件という交通事故のデータを元に事故態様毎の過失割合を定めた、判断基準に当てはめ、当該事故における適切な過失割合を導き出します。

具体的に説明します。

事故態様や事故原因の調査ですが、人身事故の場合には、警察官が実況見分調書という捜査資料を作成します。まずは、これを入手します。実況見分調書には、当時の路面の状況、天候、時間、法定速度、見通しの良さなどの情報が記載されています。また、現場の見取り図も添付されており、これには、事故の直前直後における事故当事者の位置が詳細に記載されています。

この実況見分調書に加え、最近では、Googleが提供しているストリートビュー等を使い、実際に現場がどのような様子か、実際の見通しはどのようなものだったのか、一時停止線の有無、優先道路か否か等を調査します。それでも不十分と思われるときは、実際に現場に足を運び更に状況を確認します。

また、被害者が重傷を負い、加害者が刑事責任を追求されるようなケースでは、実況見分調書以外に、双方当事者や目撃者の取調べ内容を記録した調書が作成されている場合があり、これら資料も入手し分析することで、新たな事実が浮かび上がってくることもあります。
 
以上のようにして、事故態様や事故原因を調査したら、次に、事故態様毎に過失割合を定めた判断基準を使い、当該事故における適切な過失割合を導き出します。

この判断基準では、事故態様毎に基本となる過失割合が定められているのですが、事故の内容によっては、基本となる過失割合を修正しなければならない場合もあります。

修正要素は様々であり、歩行者や自転車運転者が幼児や高齢者の場合など、事故当事者に着目した修正要素、住宅街や人通りの多い場所での事故など、事故現場に着目した修正要素、速度超過や直近右折、急な進路変更など、運転態様に着目した修正要素などがあります。
 
相手方保険会社の担当者から提示のあった過失割合について、納得出来ないと思われた場合には、ぜひ一度、当事務所までご相談ください。

 

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